居心地のいい場所
トロフィー工房のhirominです。
祇園祭は、今夜が宵山です。例年、宵山や山鉾巡行の辺りは、よく雨が降って、昨年も確か雨だったと思いますが、せっかくのお祭りに水を差すんですね。でも、今年は、このまま急な夕立でもなければ、ひさしぶりの快晴ということで、祇園祭本来の賑わいで盛り上がるのではないでしょうか。
京都のならわしで、祇園祭は暑くなければならないそうで、涼しい祇園祭はいけないんだそうです。「祇園祭ドスナー」と言われて、「そうドスナー」などとこたえる人は、いわゆる”モグリ”同じ鉾町の人なら、「暑オスナー」とこたえるのだそうです。「京都人は伝統に胡坐をかいている」とは、よく言われることですが、京都には千年の都という自負があり、いまだに京都が日本の中心とでも言うのか、と思えるほど、外部のひと、いわゆるよそ者にとって、京都人は、イケズ(意地悪)で、閉鎖的で、なにを考えているのかわからないものです。
わたしも、京都に住んで、かれこれ25年ぐらいになるのですが、出身は大阪なので、言わばよそ者で、こういう京都の伝統文化や行事には、”モグル”つもりも元々ないし、やはり身を引いてしまいますね。祇園祭も学生時代に仲間と一度行ったきり、あんな人込みのどこがいいのか、あまり行きたいとは思いません。
さて、以前、このブログでも、まだ公開前であったと思いますが、映画『マザーウオーター』(松本佳奈監督)を紹介したことがあったと思います。あれ以来、結局、わたしは一度も劇場へは出向かず、最近、夫がDVDを手に入れたので、これを見ました。
以前も書きましたが、この映画はシリーズ化されていて、過去三作品、『かもめ食堂』(2006年3月 荻上直子監督)、『めがね』(2007年9月 荻上直子監督)、『プール』(2009年9月 大森美香監督)。それぞれ、フィンランドのヘルシンキ、鹿児島県の与論島、タイのチェンマイが、それぞれ舞台になっていて、今回の『マザーウォーター』が、わが街、京都ということで、非常に楽しみにしていると書いたものです。
わたしは、やっぱり、よそ者なのかな。このロケ地がどこなのか、全然わかりませんでした。夫は子どものころ京都に住んでいたこともあり、写真が趣味でいろんなところへ出かけていくので、ほとんど特定できると言っておりました。でも、京都を知らないひとには、京都って言わなければわからないくらい、観光地としての京都みたいなところは、どこも描写されていません。まして、伝統文化、行事に関わるものは皆無です。
それと、当然ですが、次元の低い、お話を盛り上げるためだけの、セックスや、人の死の描写が禁じられていることは言うまでもありません。ウイスキーしか置いていないバーを営むセツコ(小林聡美)、お豆腐屋のハツミ(市川実日子) 、喫茶店のタカコ(小泉今日子)。京都の川の水を感じながら、”つつましくも、こころ豊かに”暮らす三人の女たちにまつわるお話です。もちろん、謎の老女、マコト(もたいまさこ)はこの映画のスパイスです。
この映画゙が、「癒し系」と評価されることを、わたしは残念に思います。同じ事ばかり書いているかな?わたしは「癒し」ということばは、好きではないのです。「やすらぎ」もしくは、「居心地がいい」ということばが好きなんです。「癒し」ということばには、なにかしら悲劇の主人公といった被害妄想的な、偏った先入観があるでしょう。興味本位に想像すれば、登場人物はみなそれぞれいろいろありそうですが、そういう立ち入ったことの描写は一切ないし、お涙ちょうだいとまでいかなくても、かわいそうな雰囲気さえ、微塵も感じさせていません。
「あしたへはダイジなことだけ持っていく」というのが、この映画の予告編の小林聡美さんのセリフだったと思うけど、真実を見つめる目をしっかり持って、”つつましくもこころ豊かに”生きています。ねばならない(must)ではなくて、なんの片意地も張らず、自分らしくいられる場所、居心地のいい場所、それが『マザーウオーター』の世界だと思います。ちなみに、恋愛するということは、自分を見失うということでしょう。だから、この映画は、恋愛もないのです。
もうひとつ、この映画がすばらしいと思うところは、『マザーウオーター』で、このシリーズ4作品目なんだけど、全然、行き詰らないというか、まだまだ新しいことがありそうなんですね。ジブリは、最近『コクリコ坂』(宮崎吾郎監督)をやっていますが、わたしは、『風に谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』(宮崎駿監督)で終わっていると思います。『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)は、非常に評価高いけど、わたしには理解できません。小林聡美さんと、もたいまさこさんのこのシリーズ、次の舞台はどこなんだろうと、ひそかに楽しみにしているんです。
それでは、『マザーウオーター』のなかから、いくつか、こころに沁みたセリフが、あったんだけど、マコトさんが、赤ちゃんのポプラ(田熊直太郎)のことを「この町みんなの赤ちゃん」って言ったのも良かったし、やはりマコトさんが、若い開発途上のジン君に
「分析ばかりしていても仕方ないんだよ。
そんな季節はもう終わっちゃってるんだから。」
とか、
「そういうあんたはなんか凝り固まってないか?
たいして始まってもいないのに。」
とか、
「あんたが決めていいのよ
自分が決めたことなら、どうなったっておもしろいから」
とか、
「そう、ひとはピトピト進化していくからおもしろいのよ
流れながら見えてくるものもあるしね」
若いころというのは、未熟で、分析する能力もなかったわけで、なにもわからなくても、自分で決めるしかなかったし、そして失敗して、毎日苦しくて、へとへとに疲れて、それが”おもしろい”なんて、わたしには、どうしても思えないんだけどな……そうやって、ピトピト進化していくものでしょうか。
他の登場人物の中にも、いいのがあるんだけど、最後にもう一セリフ。タカコの喫茶店の前を、マコトさんが通り過ぎようとするとき、タカコが「こんにちは」と呼びかけて、マコトさんは「今日もきげんよくおやんなさいよ」と返すんですね。かっこいい!これはわたしも機会があれば、やってみようかな、なんて思っています。
トロフィーのご用命はトロフィー工房まで。
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