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内田篤人

トロフィー工房のhirominです。 日本代表で、シャルケ04のアックンこと内田篤人くんが、5~6月は、シーズンオフに入り、日本に帰ってきておりまして、先日のキリンカップの2戦目チェコ戦でスタメン出場しましたし、東日本大震災の被災地を訪問して、子どもたちと積極的に交流したりしています。そして、最近はテレビにいっぱい出演しております。そりゃ、ほんとにカッコイイんだもん。テレビぐらい出ますわな。それにしても、たくさん、しかもかなり好感的に報道しています。彼の今シーズンの活躍がいかにすばらしかったかが伺えます。 海外のサッカー事情やそのレベルなど、わたしは何もわからないですけど、シーズンを通してコンスタントにスタメンで出してもらったということ。そのことだけでも、大したものなんでしょう。よく、監督と合わなかったとか、言葉の問題とか、チームに馴染めなかったとかで、表現は悪いですけど、“挫折”して帰ってきて、J復活しているひといますよね。それは、日本で普通の職場でもあることなんですけど、自分ができることはもちろん、できないことも、ちゃんとアピールするって、なかなか難しいですよね。日本人はそういうこと、苦手な感じがします。 アックンは、冷静で、一見おとなしそうに見られがちだけど、わたしにはそうは見えません。家族環境が、お父さんは体育の教師、お母さん、お姉ちゃん、妹も陸上していて、3人兄弟の女二人にはさまれた、アックンはまんなかですよ。しゃべらないわけがない。テレビだって、なかなか、周りの空気を読んで、上手にしゃべっていますし、被災地へのエールメッセージは、非常に印象に残ることをしていますよね。被災地の人の中には、このメッセージで勇気づけられた人いたと思います。 シャルケ04は、ブンデスリーガ、リーグ戦こそ14位と低迷しましたが、UEFAチャンピオンリーグ、ベスト4ですね。アックン本人もこのCLでの戦いをを最も自負しています。その準決勝では、マンU(マンチェスター・ユナイテッドFC)、ルーニ、パクチソンも出ていました。パクチソンのシュートを、アックンがブロックしていましたね。そして、準々決勝でライバル長友(長友佑都・日本代表・インテルナツィオナーレ・ミラノ)くんとのマッチアップ。マジかよ!まさに夢の対決。わたしは動画で何回も繰り返し見ました。この二人は、日本代表の宝物ですね。次回W杯がたのしみです。 それから、タイトルもひとつ捕りました。ドイツカップ(DFBポカール)優勝。これも、ヨーロッパ事情は知らないので、どれだけすごいかはわからないんですけど、日本でいうと、ナビスコをひとつ捕ったぐらいの感じなのかな。いわゆるクラブのみんなに担がれて、チームメイトとサポータにそれぞれお礼して、カップを掲げたアックン。ヤッタぁー!おめでとう。 こんな風に、テレビにいっぱい出たわけですが、わたしは、そのなかで、「やべっちF.C.(テレビ朝日)」だったと思うんですけど、前回ワールドカップ南アフリカ大会のことについて、話していました。もう、あれから、1年なんですね。アックンは、このW杯本大会で、たったの1分だって試合に出してもらえませんでした。あのときの心境を、わたしはこの番組で初めて聞きました。 あとで、この番組の動画も探してみたんだけど、見つけられなくて、だいたいこういうことだったと思うんです。決勝初め、右サイドバックは、今野(今野泰幸・日本代表・FC東京)くんがスタメンで出ました。アックンは、ここまで来て、出してもらえないか……ショックだったんでしょうね。そのうち、今野くんが怪我して、次は、駒野(駒野友一・元日本代表・ジュビロ磐田)くんか、アックンだったんだけど、駒野くんが呼ばれたんですね。そのときに、当時、アントラーズの先輩、新井場(新井場徹・鹿島アントラーズ)くんから、電話なんだろうけど、もらったそうです。 「どうしたんや、なんで出てないねん?」 「もうだめです。ぼくは蚊帳の外です。」 「お前が日本をW杯に出したんやろ。そんなことであきらめていいんか。」 新井場くんにそう言われて、アックンは、ハッとした、と言っていました。 そのあとどう言ったのか、あまり覚えていないんですけど、わたしには、その”ハッ”の意味がわかったような気がしました。 新井場くんは、アックンが高卒ルーキーで、アントラーズに入って、内へ内へ籠りがちなのを、外へ外へ連れ出してくれた、ほんとにいい先輩です。サッカー以外のことで、お買い物とか食事とか無理やり付き合わされたなどと言う話を、アックンはよくしていました。新井場くんは、アックンをいつも高いところから見守ってくれているんですね。 前回W杯は、アックンというより、俊輔(中村俊輔、元日本代表・横浜マリノス)が連れて行ってくれたんです。少なくともわたしはそう考えます。俊輔も本大会はほとんど出ていません。いまでこそ、世界の名のある選手、また背丈のでかい選手の前だって、対等に戦えるなんて言っていますが、あの予選が始まったころは、そういう選手を前にして、何もさせてもらえなかったといっても過言ではありませんでした。 守備も攻撃も司令塔、俊輔頼みだって、言っていましたから。特にアウエーが、姑息と言うか、汚いやり方をされて、タフな戦いを強いられました。まともに、腹や足めがけて蹴ってきたり、それでも審判がレッド出さなかったり、バーレンだったかな、くそ暑いのに、ロッカールームのエアコンがつかなかったりとか……そういうなかで、若い長友くんや、アックンは、俊輔について行ったんですね。同じ右で、俊輔とアックンと二人で敵を挟んで、実際相手の懐まで入って、ボールを取るのは俊輔で、すばしっこいアックンが、そのボールを前に運ぶという役割分担だったのです。そういう光景を何回か見ました。 ホームだったと思うけど、ほとんど勝っているのに、1点が入らなくて、あれも相手はバーレンだったと思う。終盤になって、あきらめかけていたころ、アックンが、FW巻(巻誠一郎・元日本代表・深圳紅鑽足球倶楽部)くんへ蹴ったパス。ふわーと舞い上がって、そのままゴールになって、アックンの代表初ゴールになったことがありました。スタジアム全体一瞬あっけにとられました。アックン本人は照れくさそうにして、あのときも、俊輔はアックンの頭をなでなでして喜んでくれましたし、岡田監督だって泥臭いゴールだと言って非常に評価したんです。” ハッ”としたというのは、そういうこと思い出したんじゃないかな。サッカーが本来そういう楽しいものだったということを。 W杯は勝敗がすべてということは、頭ではわかるし、岡田監督のやり方をとやかく言うつもりはないけど、俊輔が「試合に出られなくても、みんなで戦っているんだから……」などと言うと、正直痛々しくて見ていられませんでした。実際、予選の間は、どんなに夜中であろうと、起きてテレビを見て応援しましたが、本大会においては、一試合も、見ませんでした。 言っても虚しいだけだけど、W杯南アフリカ大会は俊輔の大会だったんです。負けたっていいから、俊輔と心中するつもりで、最後まで出してあげてほしかった。そういう日本の戦いをわたしは見たかったのです。 ちなみに、先日のキリン杯。俊輔は見てたかなぁ?あのとき俊輔のポジションを奪った本田(本田圭佑・日本代表・CSKAモスクワ)くん。何回フリーキック蹴った?一回も枠にさえ飛ばなかったよな。ザマーミロ!って思っていたのは、わたしだけかな。「予選は勝って当然だと思っているんで」なんて驕り高ぶったことを言っていたけど、大丈夫?あくる日、息子が電車で、人が見ている新聞を覗き込んで、見出しが「本田空回り!」だったと言ったので、二人で笑い転げてしまいました。 前回W杯が終わって、何事もなかったかのように、俊輔は代表を引退しました。2014年ブラジル大会、秋からもう予選が始まるんですね。アックンは、そういう俊輔や、新井場くんの思いを背負って、要するにどんなに苦しいときでも、辛いときでも、サッカーをたのしむことを忘れないで、戦ってほしいと思います。なんの力にもなりませんが、わたしもこれからもずっと見守っていくので。 それと、まだかな。婚約発表というのは……ライバル長友くんは最近話題になっていましたね。アックンも間違いなくいらっしゃるとは思いますが、ブラジル大会で、仲良しの麻也(吉田麻也・日本代表・VVVフェンロ)くんや、岡(岡崎慎司・日本代表・VfBシュツットガルト)ちゃんと並んで、恥ずかしそうにゆりかごダンスする姿を、わたしはイメージしているんです。まずは、オフ。ゆっくり休んでください。 トロフィーのご用命はトロフィー工房まで。