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ヌートリアにご注意を

トロフィー工房のhiro02です。  先日の台風の大雨に流されてきたのか、町内の用水路にヌートリアがいることが、わたしの近所では、ちょっとした騒ぎになっております。わたしの主人も、お散歩の途中で2回ほど見ており、物好きにも写真まで撮ってきた始末です。  南米原産で、ネズミの仲間では最大だそうです。毛皮生産などのために持ち込まれたものが、遺棄、逃亡して、京都はほぼ全域で、異常繁殖しており、生態系や農林水産物への被害も深刻なようです。わたしは、ネズミは大の苦手で、このヌートリアを、実際見たことはありませんが、想像するだけでも身の毛の弥立つおもいです。  さて、実物は、このように気持ち悪い、わたしにとって、恐怖のネズミでも、そのキャラクターにはなかなか愛すべきものがありますね。ディズニーのミッキーちゃん、ミニーちゃんは言うまでもありません。宿敵の2匹「トム&ジェリー」なんていうのもありましたね。「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男。これは妖怪か?日本の説話にある「ねずみの嫁入り」、鼠小僧次郎吉……ふと思いついたものをあげるだけでも、ネズミをモチーフにしたキャラクターって、たくさんあるんですね。 なかでも、わたしが、いちばん愛すべきは、宮沢賢治作の「ツェねずみ」です。子どもが小さい頃は、何度も読み聞かせました。「償(まど)うてください」を何回も連発して、子どもたちをゲラゲラ笑わせたものです。 ある日、イタチが、金平糖のありかを、ツェねずみに教えてあげるんですね。ツェねずみは、一目散にその金平糖を取りにいくんだけど、すでに蟻が取ってしまっているんですね。そこで、ツェねずみは面白くなくて、いたちの親切を逆恨みし、「償うてください」と言って、イタチから金平糖をせしめるのです。まわりのありとあらゆるものに、こういう態度なので、みなツェねずみをきらって、近づかなくなるんだけど、最後に鼠捕りまで怒らせて、捕らえられてしまうというおはなしです。 この「償うてください」の連発が、痛快なんですね。もし、わたしなら、もちろん金平糖は食べたいし、自分が食べられないで、人が食べていたら、ムカつくけど、「償うてください」までは言えません。自分だけ食べられないみじめな姿を曝け出すなんてできませんね。やっぱり恰好つけますね。弱肉強食の社会では、ネズミは弱者なんだろうけど、どんなに嫌われようが、悪く思われようが、なりふりかまわず、ツェねずみは、実に強かですね。こころの片すみで、がんばれの旗を振ってしまうわたしがあります。 ヌートリアの出現だって、もともとは人間の身勝手によってなされた業です。がんばれとまでは、言わないけど、ヌートリアに罪はありません。みなさんのお近くの川は大丈夫ですか。お散歩の途中で、草むらがガサガサとなったら、ヌートリアかもしれません。ご注意なさってください。 トロフィーのご用命はトロフィー工房まで。